新逗子行きが新逗子行きでなくなる前に。私はこの記事で批判いたします。
京急の駅名変更について
この度、京急が2020年3月に駅名を変更することを発表しました。駅名を変更するのはこの四駅です。
- 産業道路→大師橋
- 花月園前→花月総持寺
- 仲木戸→京急東神奈川
- 新逗子→逗子・葉山
また、副駅名がつく駅は次のとおりである。
- 鮫洲(鮫洲運転免許試験場)
- 大森海岸(しながわ水族館)
- 大師橋(産業道路)
- 京急鶴見(大本山 總持寺)
- 花月総持寺(花月園前)
- 京急東神奈川(仲木戸)
- 日ノ出町(野毛山動物園)
- 逗子・葉山(新逗子)
- 追浜(横須賀スタジアム)
- 汐入(横須賀芸術劇場)
はい。旧駅名は副駅名として掲示されるようです。詳しくは京急公式リリースも参照ください。
駅名変更についての理由考察と感想
1つ目「大師橋」
産業道路という道路は全国にあまねく存在します。なので、どの産業道路か分からないし、バス停によくある「公園前」みたいな、京急の中でも抽象的な名前になっていました。
京急では産業道路の踏切渋滞が有名ですが、その負の遺産も2019年3月なくなります。また、公害のイメージを払拭するためでもあったのでしょう。
また、この辺りはもともと大師河原という地名もあり、川崎大師の東側地区として大師の名前を使うべきです。この町にとって東京都との架け橋である大師橋は具体的で地域に馴染むと思います。
2つ目「花月総持寺」
もともと、総持寺南側のこの駅には、花月園という遊園地がありました。大正から戦前にかけて存在した遊園地で、戦後は花月園競輪場に生まれ変わりましたが、2010年で廃止されました。
もう花月園の名前を称する必要はないのですが、一部の人からは競輪場の跡地として親しまれています。そこで申し訳程度に花月とつけ、総持寺踏切(今は廃止)の近くにあるので、それを合わせて花月総持寺。いい名前じゃないですか。某大阪の偽物駅との差別化もできますし。
3つ目「京急東神奈川」
今は「仲木戸」という名前で営業しています。JRの「東神奈川」は、町名が東神奈川、神奈川区の東(正確には旧国鉄神奈川駅の東)ということでわかりやすいのですが、仲木戸となると、なんだかイメージが掴みづらいものです。私もそうでした。
はまレポ調べによると、かつての徳川将軍家の宿泊施設、神奈川御殿の木の柵で囲んで警護していたあたりの地名を中木戸(仲木戸)と呼んだそうです。
超地元の人には馴染み深いかもしれないですが、今東神奈川駅を利用している人は多くが若者。かつては仲木戸ってどこ?みたいなことが起こりえますが、これからはわかりやすく説明ができます。ただJRで待ち合わせしていたのに京急の方に…ということもあり得ますが、京急蒲田や川崎と違って徒歩1分でお互いの駅まで行くことができるので、支障はないでしょう。
また、JR東と駅名がかぶることについては、京急とJR東は昔も今も熾烈な競争を繰り広げていますが、それでも横浜駅で駅舎を共同使用するなど、それくらいのことができる関係ではあります。今回の変更も適切だと思います。些か長いような気はしますが、定着すると思いますよ。
4つ目「逗子・葉山」
京急エアポート急行の南の終点としてその名を馳せる新逗子駅。選定理由は…
ブランド力のある逗子と葉山を合わせた駅名に変更することで、三浦半島の更なるイメージ向上と定住人口・交流人口増により、地域活性化を図る。また、羽田空港からの直行電車の終端駅のため、行き先として駅名が表示されることにより、多くのお客さまに保養地、景勝地である葉山へのアクセスポイントでもあることを広く認知していただく。
京急公式リリースより
いやいや、葉山って全然違うやん!これを鉄道空白地帯の葉山町からの圧力と見る人もいますけど、本当なのでしょうか。
逗子線を葉山まで延伸させる気のない今、地域活性化には繋がるのは否定できません。でも、もし羽田空港でこんな放送が流れていたら…
自動放送「今度の列車は、川崎・横浜方面、エアポート急行、『逗子・葉山ゆき』です」
くどい!冗長ですよこんなの。
まず来訪者のこの辺りの地名の認識として、地方人には鎌倉→歴史でやってるからわかる、逗子→なんだっけ?葉山→何言ってんのこいつ(ただし一部の人からは葉山御用邸のおかげで存在感は強い)って感じだと思いますよ。
京急も「葉山女子旅きっぷ」を発売して葉山町の貢献に少しは寄与していると思われますが、その身としても断りづらかったんでしょう。
また、新逗子の駅名を変えたのも戦後、1985年に京浜逗子駅と逗子海岸駅が統合されてからです。市民も意外と駅名変更に抵抗はないのでしょうか。絶対少し抵抗はあるでしょう。
そのほかの「・」を使った駅名
例:
- 元町・中華街駅(神奈川県・みなとみらい線)
- 万座・鹿沢口駅(群馬県・JR吾妻線)
- 中央大学・明星大学駅(東京都・多摩都市モノレール)
- 大塚・帝京大学駅(上の隣駅)
- 三宮・花時計前駅(兵庫県・神戸市営地下鉄 夢かもめ)
- 旧居留地・大丸前駅(上の隣駅)
- 栂・美木多駅(とが・みきた・大阪府・泉北鉄道)
- 愛・地球博記念公園駅(愛知県・リニモ)
上二つのように終点駅でも「・」が使われることがあるんですね。やはり京急でもこれらと同じように定着していくんでしょうか。
駅名変更に伴う取り替えについて
これに伴い、駅名表や発車標の取り替えが予想されます。電光掲示板の更新は大変ではないですが、京急川崎駅のパタパタ発車標は置き換えられるのでしょうか。方向幕はどうなるのでしょうか。古き良き京急はついになくなってしまうのか、私はなくなってほしくはないのですが、今後の動向に注意したいです。
結局駅名標の取り替えについて案じてしまうこととなった京急駅名変更についてでした。京急も2020年やその先の未来に向けて変わり続けているということですね。
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