さて、前回の台南では予想外のことが起こって観光があまりうまくいかなかったですが、一旦ホテルに帰って充電など体制を立て直し、高雄で考えていた旗津エリアの観光をしたいと思います。
旗津は、はたつ、と呼びたくなりますが「きじん」または「チージン」と呼びます。旗津は高雄市の西にあるとても細長い島で、元々は半島でしたが開削して島になりました。自動車は南の方の海底トンネルからアクセスできますが、それは貨物船への積み込みを行うエリアを通るもので歩行者向きではありません。旗津のメインストリートは1番北の方にあり、そこまでフェリーでアクセスすることになります。元々漁師街であり、昔ながらの街並みでは屋台や海鮮料理店が多く立ち並びます。
台湾のフェリー
前々回の第5回で取り上げたハマセン駅から5分くらい歩きまして、旗津行きのフェリー乗り場へ着きました。この鼓山港から、毎日5分から10分、大量の観光客を運んで旗津まで船は往復しています。片道20元。尾道向島のフェリーのような安さで、かつ宮島フェリーのような賑わいで船は出ています。
このフェリー乗り場は歩行者用とバイク用の入り口が違うところにあって、入口を間違えてしまいました。今の写真の方面は、出口とバイク用の入り口です。台湾は本当にバイクが多く、主要な通りでは二段階左折を待つ車列に大量のバイクが見られる東南アジアっぽい光景が感じられます。
先ほどの写真のところから回れ左をすると、歩行者用の通路が現れます。
建物の中に鮮魚を取り扱う商業施設、改札と待ち列があり、船にはICカードで乗ることができます。台北松山空港駅で購入したヨウヨウカもここで使うことができます。日本にもSuicaとICOCAの別がある様に、台湾では台南・高雄エリアではヨウヨウカ(EasyCard)ではなくイーカートン(iPass)というカードが基本的には流通しているんですが、相互利用ができるみたいでよかったです。
船の中にはバイク用スペース、座席や展望客室があります。船の後方には中華民国国旗がはためいており、自分が今どの国にいるかというものを自覚させてくれるものです。
また、奥に見える高いビルは高雄展覧館です。ここは左営の龍虎塔と並んで高雄観光の名物でありますが、どういうわけか休業中なので、このあたりから眺めるだけにしておきましょう。駁二芸術特区からも眺めた光景ですが、海の上から見るとまた違った趣があります。
反対側に行く船もあり、この航路は5分感覚で頻繁に運行されていることがわかります。船も非常に混雑しており、往来の多い場所なのだという感じですね。
わずか5分強で旗津まで着いたら、観光客がたくさんいるアーケードが目につきます。そうしたら、まず進んで右側に天后宮という道教の廟が見えるかと思います。この廟では、松山で見たようにやはり道教の女神媽祖が祀られています。漁業の神様、やはりそれらしい場所に祀られていますね。市の内外から厚く信仰されており、私が来た時も観光客が合掌しているのを見ました。
これが旗津地区の地図です。元々は旗津は半島でしたが、南側の台湾本島と繋がっている部分は運河開削のために切り離されて車だけが通れる海底トンネルに代替されました。この旗津は小さいながらも細長く、高雄側から南シナ海側までは場所にもよりますが500メートルくらいで横断することができますが、長さは11キロメートル程にも及ぶようで、幅1に対して長さ25〜30くらいというすごく細長い定規のような形をした島です。
なお旗津区のはるか南西の南シナ海には太平島などの中華民国政府が実効支配する島があり中共政府や東南アジア諸国と領土紛争を抱えているわけですが、ここも高雄市旗津区の管轄になるようです。元々国共内戦に敗れる前には海南特別行政区の管轄だったそうです。果てしないですね。
旗津の海と映えスポット探索
屋台街を抜けて、到着しました。旗津海水浴場です。海水浴場と謳っているくせに遊泳禁止なので、遊んでいる人は浜辺にいるようです。舟通りと多いですからね。
高雄の海の向こうは南シナ海で、海の奥にはベトナムやマレー半島があるそうです。右側を見れば広東、香港、マカオ、海南があり、左側を見れば果てはフィリピン、ボルネオ島(ブルネイ)、マレーシア、シンガポール、インドネシアといった国々に至ります。世界にはまだ私が知らないたくさんの国があるのですね。日本近海からは簡単には見ることのできない行ってみたい国へ通じる海が一望できました。船しか見えないけど。
それから、この島の北側は地形の厳しい山(旗后山)となっており、ハイキングスポットになっています。木々もマングローブの亜熱帯の様相を呈しているそんな中、この星空隧道はインスタ映えスポットとして知られています。
人がいないタイミングの写真になったのでタイミングを逃してる感がありますが、トンネルにイルミネーションのLEDを貼り付けて綺麗みたいなところです。元々はやはり日本統治時代に建設されたもので、高尾で最初のトンネルだと言います。このトンネルは、軍事用として使われていました。当時は軍事的にも灯台や砲台などが置かれ重要な基地でしたが、現在は観光地化されていますます。
トンネルの向こう側では、荒々しい波が石灰岩の迫力ある地形に打ち付けます。旗后山は自転車レンタルや灯台の山登りも楽しそうですが、台南の謎の賑わいに揉まれた後で疲れていたため引き返すことにしました。
台湾の美食と日本語
旗津のメインストリートには、屋台やお店、立ち並ぶ中、海鮮を取り扱う店もあります。こうしたお店では、食用の海の生き物が生け簀の中で展示してあります。
頼んだのはまさかの日本食。これも他の日本人のブログかなんかで紹介されていたので入ってみました。なんとチャーハンと刺身で260元。変な組み合わせに見えると思います。
台湾では屋台のイカ焼きや肉料理など生魚以外にも美味しい料理があるものの、それを差し置いて日本食風の食べ物を食べられるのも台湾の海の街高雄旗津ならではの光景であります。メニューではだいぶ家庭的な魚料理も多く並んでいる印象です。決して子供がお子様ランチのオムライスとハンバーグしか食べられないのと一緒にしてはいけません。
私もやはり日本語わかるおばさん店員に話しかけられまして片言の日本語でお互いコミュニケーションを取り入店しました。配膳のお兄さんは中国語しか無理だったらしいですが、Google翻訳で日本語にして「食べた後に支払います」と見せてくれました。水も持ってきてくれてありがたいです。
それにしてもなぜ僕が日本人だと分かったんでしょうね。刺身に食いついたからでしょうか?それともここが観光地で今までにも数多の日本人観光客を受け入れてきて日本人になれたからなのでしょうか。そういえばメニューでは塩焼きとか加工品とか貝料理がある中で刺身は「生身魚のコーナー」という別のページにありました。生魚を食らうのは日本特有ですからね。日本との距離の近さを感じられてある意味台湾旅行らしいです。
料理は、割とすぐに出てきました。時刻は16時半、昼飯でも晩飯でも朝飯でもないこの日唯一のまともな食事です。美味しかったです。
台湾本島に戻って
さて、また鼓山港に戻ってきました。ハマセン駅までの帰り際に、ソフトクリームのお店を見つけました。
ここは丸浜霜淇淋というソフトクリームのお店です。ここは日替わりで2種のアイスを提供しており、今日はマンゴーとバニラ味でした。
台湾は果物が名物ですから、楽しめて良かったですね。台湾といえばパイナップル、パイナップルケーキは本当に有名です。元々マンゴーを頼む予定でしたが店員がミックスできると言いまして、ミックスを70元で買いました。値段は変わりません。コーンが逆に刺さっているのがおもしろいですね。
店の前、なんと葛飾北斎の例の浮世絵が飾ってあるじゃないですか。やはりこちらもファッションとして日本の意匠を積極的に拒むことなく取り入れているように見えます。
この後は、ショッピングモールの探索や乗り鉄、ドラッグストアでの買い物や衣服の洗濯をやっていたらもう日付を回ってしまいました。台湾には日本にはないドラッグストアがあるんですね。でも商品は日本語のものや日本ブランドのものも多く取り扱っていて、少し買いすぎた感はありますが、買い甲斐がありました。
この日も、濃度が低いかと思ったら実は1日のうちに台南、商務座、旗津、ドラッグストアなどと色々やっていて、あまり観光できてないと思ったら意外といろんなことをやってましたね。次の日の新幹線は朝早い便をとってしまったので、やはり睡眠時間が心配ですが、早く起きて乗り遅れないようにしたいと思います。
連載記事:2024年夏台湾旅行
第1回記事付属のサイトリンク:
海外に行っても価値観なんて変わらない?それでも行くべきところのみに絞ってみよう【2024夏台湾#1】 | 分霊コネクション (bundrail.net) | ※サイトリンクの位置に飛びます